ソーシャルスタイル というコミュニケーション技法を知っていますか?
名前を聞いたことがある人も少なくないと思います。
グローバル企業や大手企業の研修でも導入されるコミュニケーションメソッドです。
ただ、知っているものの、実践でうまく活用できていないという声も少なくないのも事実です。
ソーシャルスタイルとは、1968年、アメリカの産業心理学者、デビッドメリル氏が提唱した、今や世界に広まるコミュニケーション理論のことで、4つに分類される人のコミュニケーションの癖を指します。
そして、この4つの分類は「感情」「自己主張」の大小で簡単に判断ができます。
(1)ドライバー の特性(合理的に目的を達成させたい人)
感情(表情)は出ない。早口で淡々と自分の意見を言う人。
せっかちで負けず嫌い。目的のためには、厳しい判断も辞さない。例:ビートたけし。
(2)エクスプレシッブ の特性(自分が注目されたい人)
感情(表情)は出る。明るい雰囲気で自分の思いを言う人。
ノリを重視。注目されたい。新しこと、話題性のあることが好き。例:明石家さんま。
(3)エミアブル の特性(みんなの気持ちを大事にしたい平和主義の人)
感情(表情)は出る。話すより聴く。明るい雰囲気で人の話を聴く人。
人の気持ちや全体の調和を重視。平和志向。例:小堺一機。
(4)アナリティカル の特性(理屈、分析を大事にする人)
感情(表情)は出ない。話すより聴くこと多い人。
データや情報を分析し、独自の見解を持つことが好き 例:タモリ
ドライバーのお客様:ドライなコミュニケーションで対処する
(1)「時間がないので、手短に説明してよ」と言ってくる
結論を伝える⇒その理由を語る⇒シーンを示す⇒再度、結論で締める。
(2)「もう、いいよ」と突き放される
言い方がストレートなだけ。「チャンスをください」とリベンジ魂を示す。負けん気を高く評価する傾向がある。
(3)「もっと、早くしなさいよ」と偉そうな口調で命令される
非難しているのではなく、主張しているだけ。バカにされたと思わないこと。
対エクスプレッシブのお客様:ちょっと適当なコミュニケーションで対処する
(1)言うことがコロコロかわる
適当ではなく、新しいことに関心があるため意見が変わりやすいだけ。契約など重要なことは気が変わらないうちに済ませる。
(2)ガッとやって、ドーンと行こうなど、擬態語が多く理解に困る
ニュアンスで伝えたいと思っている。確認が必要な時は「具体的には?」と問うのではなく、「分かりました。こういうことですか?」と確認する。
(3)「本気を見せてほしい」と言われ対応に困る
「本気とおっしゃいますと……」とたじろぐのはNG。「目を見てください」と切り返すだけでOK。ノリで対応するのが良い。
対エミアブルのお客様:優柔不断なコミュニケーションに対処する
(1)なかなか決断してくれない。これ以上何をすれば良いのか分からない
1人で決めるのが苦手。「差支えなければ、一緒に考えましょうか?」と相談相手になってあげる。(手をつなぎながら話を進めるイメージ)
(2)「分かった」と言いながら、返事を先延ばしにする
ルーズととらえるのではなく、なんらかの問題があることを疑う。言いにくいのだ。まずは、問題を聞いてあげる。
(3)弱々しく、「出来ない理由」を言われても困る
共感をしてほしいだけ。話し相手になるだけでOK。説得をしなくても良い。
対アナリティカルのお客様:むっつりなコミュニケーションに対処する
(1)なかなか決断してくれない。無口なので何を考えているのか分からない。
頭の中で整理しているだけ。沈黙のままでよい。発酵中と考えよ。
(2)こちらに無いデータを欲しいと言われて困る
お客様の目的はデータそのものではなく、自分の見解を作ることで安心が欲しいこと。データがなければ、近い事例を提示するだけでOK。
(3)「また、考えた上で電話する」と言われても信用できない。
このタイプの場合は信用してよい。ただし、時間がかかることが多い。他に必要なデータはないかを確認し、デッドラインを決めておくことが重要。
このようにソーシャルスタイルを知っておけば、対応の糸口を探しやすくなります。
髙野陽平
最新記事 by 髙野陽平 (全て見る)
- 【用語解説集】ディレクションって何ですか?? - 2018年5月25日
- 時間との向き合い方|パート③ 弱点を理解した決意こそ【優先順位を確立】させる最短方法 - 2017年5月30日
- 時間との向き合い方|パート② 重要事項の順序を決める【スケジュール】の作り方 - 2017年5月29日