◆日本経済新聞が過去に新設法人8万社の行方を調査したところ、存続率は
・1年後:60% 3年後:38% 5年後:15% 10年後:6.3%
◆10年以上に残る会社
・設立20年:0.39% 設立30年:0.025%
◆全法人数 283万社(黒字:30% 赤字:70%)
・100年以上継続会社:10万社(3.5%)
・200年以上継続会社: 5千社(0.1)
上記のデータからも企業は30年で潰れるようにできているのか? 30年以上継続する企業は老舗の称号が与えられるのも納得します。
現状、株式会社は30年で、その99.98%が消えています。
つまり、100の会社が生まれても、30年後には ほぼ1社も残っていない ということです。
生き残るのは奇跡に近いのが現実です!
ですが、ネガティブになる必要は全くありません。 30年を目標に持つより、事業自体を10年ごとに刻んで考え、生き残る術や経営持続の様々なテクニックがあります。
このデータで尻込みする必要はありません。ですがこれもひとつの重要なデータとして、甘くいないという事をしっかり把握しておきましょう。
皆ギリギリのところをくぐり抜けて生き残ってきたのです。 その結果、国を代表する企業になったものもあります。
近年、企業を取り巻く環境の目まぐるしい変化を受け、「企業生存率がさらに下がってきているのでは?」との見方が強まっています。
30年では1000の会社のうち、3つの会社しか生き残っていません。
新しい企業は絶えず生まれていますが、創設後の淘汰もそれだけ厳しい。
このことを踏まえた上で【10年以上生き残る会社の条件】 というテーマで、株式会社帝国データバンクの産業調査部・情報企画課・課長の昌木裕司氏の意見を下記にまとめてみました。
◆条件1 【”成長業界のニッチ分野”に注目し、先駆者として市場参入している】
2000年以降に創設された企業のうち、中小企業から大企業に成長した企業の業種構成を見ると、「情報通信業」と「医療・福祉分野」に多いのですが、実際、2000年代に設立・創業し、10年以上事業継続している企業を見ると、「このいずれかの業界でニッチな事業を見出した」企業が目立っています。
例えば、2000年1月設立の株式会社マクロミル。
当時もアンケートリサーチ会社はありましたが、インターネットリサーチ専業会社は当時まだ少なかった。
そこに目をつけて一気に業績を伸ばしました。
携帯コンテンツ会社の株式会社ザッパラス(2000年3月設立)や、通所介護サービスを手掛けFCも展開する株式会社やまねメディカル(2002年6月設立)なども同様。
今では参入企業が増え、一市場を築いていますが、当時は参入企業がほとんど少なかった分野の先駆者的存在です。
また、成長分野以外でも、「ほかの企業はまだほとんど手をつけていないニッチ事業」を見つけられた企業は、成長を続けています。
2000年11月設立の株式会社ノバレーゼは、ゲストハウスウエディングがまだ認知されていなかった段階で参入し、高いプロデュース力を武器に業績を伸ばしています。
◆条件2 【自社のコアコンピタンスを認識し、そこに資源を集中投下している】
「情報通信業」や「医療・福祉分野」には、この10年で数多の企業が参入しました。
しかし、多くの企業が10年に至らずに倒産・撤退しています。
生き残る企業との「差」は、「自分たちの強みをつかめているかどうか」が挙げられます。
創業間もないときは特に、自分たちの強みを理解し、それに基づく攻めるべき分野を明確に持っていることが重要。
その「攻めるべき分野」に資源を集中し、自社の事業ドメインを早い段階で確立することが、企業の成長につながり、存続率を高めることにつながります。
逆に、早く会社を軌道に乗せたいからと、創業まもない段階で総花的に事業展開する企業は、企業としてのコアコンピタンスが定まらず、頓挫しやすい傾向にあります。
例えば、ISP向けの接続サービスに強みを持つフリービット株式会社(2000年5月設立)は、コア事業であるインターネッ関連のインフラ提供事業を確立した後、ブロードバンドインフラ、クラウドコンピューティングインフラなど、将来の有望市場に資源を投入し始めています。
また、2002年12月設立の株式会社スターフライヤーは、北九州空港をベースに事業展開し、格安の運賃を実現して話題を集めてきましたが、ここにきて参入が増えてきたLCC(格安航空会社)と一線を画すため、ハードでもソフトでも高いサービスを提供する「ハイブリッド・エアライン」に向けて舵を切っています。
設立・創業して10年以内の企業を見る場合は、自社の強みの分野を持ち、事業ドメインを確立しているか、確認しましょう。
一つの事業分野が成功し、経営基盤がある程度安定してから、そこで得た資金をもとに次の事業へとコマを進めていくのが、企業存続という意味では現実的です。
◆条件3 【経営者が「明確なビジョン」を打ち出している】
帝国データバンクによる企業の調査項目の中には、「経営者の人物像」をチェックする項目もあります。
企業のトップと面談する中で感じた「人物的特徴」を、25項目ある選択肢の中から選び、チェックを入れています。
2000年代に設立・創業し、10年以上継続している企業の「経営者の人物像」を見ると、「ビジョンがある」「積極的」「先見性に富む」「実行力がある」「責任感が強い」にチェックが入っていることが多いです。
どれも経営者として当たり前だと思うかもしれませんが、これらの項目にチェックが入っていない企業も実は多いのです。
特に重要な項目は、「ビジョンがある」です。
自社が何を目指しているのかが、経営理念として掲げられているかどうかだけでなく、社員一人ひとりにそれが浸透しているかどうかを確認することが大切。
皆が同じベクトルを向き、突き進むことができてこそ、創業期の荒波を乗り越えることができるのです。
大学発ベンチャーの株式会社魁半導体(2002年9月設立)は、プラズマ現象を用いた半導体製造装置の開発や、バイオ医療、リチウム電池への応用研究を手掛ける会社。
ベンチャーながら、社長が「堅実な事業の展開が重要」という考えを持ち、人材、技術、経営理念などの無形経営資源を債権者、株主、顧客、社員に伝えるために「知恵の経営報告書」を作成、企業概要や今後の事業計画をオープンにしています。
そのため、社員一人ひとりが企業理念と方向性を理解し、「自らが事業運営に参画する」という意識を持てるように。
投資先行で経営不安に陥る例も少なくない大学発ベンチャーにおいて、この会社は安定経営を維持しています。
上記の5項目からは外れますが、「経営者が数字に強い」ことも企業存続の条件。
経営には緻密さや計数管理能力が不可欠だからです。
「経営者の人物像」のチェック項目の中に、「計数面不得手」という項目があるのですが、ここにチェックが入っている企業は要注意と考えます。
一般的に大学発ベンチャーがとん挫しやすいと言われるのは、経営者が技術畑の人で、数字に無頓着であるケースが多いから。
いくら数字に強いパートナーがいたとしても、経営者自身が数字に強くない企業は、的確な経営判断が下せず、なかなか経営が軌道に乗らない…というケースが多いのです。
以上の条件に当てはまる会社であれば、「10年以上生き残る会社」であると推測できます。
つまり永続的に発展するには、核として変化させてはいけない部分と、常に変化し続けなければいけない部分 この双方が必要となる。ということがわかりますね!
髙野陽平
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